看護師の転職

【実体験】患者に噛まれた看護師の話【労災申請の方法】


患者さんから「つねられた!」「かまれた!」などの暴力を受けた経験がある医療者がいるかもしれません。

実際、私もそうした経験をした医療者の一人です。

そこで今回は、その噛まれた体験について書いていきます。

✓この記事を書いている人

ライター×現役看護師として活動中。認知症患者さんに肩を噛まれた経験があります。今回は体験とその対処の流れについてまとめました。

患者に噛まれた話【労災申請の方法】


医療者は、患者から思いもよらず暴力を受けることがあります。

実際、そうした経験をした方は少なくないかもしれません。

また、経験をしたことがない方でも、そうした万が一の状況にあった場合に対処方法を知っておくことが大切です。

では、さっそく私の体験から見ていきましょう。

移乗介助中に噛まれる


単発派遣で行った施設でその事件は起こりました。

その患者さん(以下Aさん)の家族からナースコールがあり、車いすへの移乗を頼まれました。*派遣看護師は常駐スタッフではないため、施設のスタッフに確認する必要があります。その際はピッチで他のスタッフに確認してから移乗介助を実施。

Aさんに移乗することを伝えて、Aさんの腕を私の肩にかけ引き寄せ、Aさんの腰に手をまわし、「いち、にのさんっ!」と持ち上げた際に左肩に強い痛みを感じました。

一瞬分かりませんでしたが、すぐに「噛まれた!」と気づきました。でも手を離したらAさんが倒れてしまうため、我慢しとりあえず噛まれたまま、車いすへ移乗させました。

移乗させた後は、Aさんは口を開けて顔を上げ、ケロッとした表情で「ありがとう。」と一言。


事故の振り返り


Aさんは認知症でも日常的には穏やかな方でした。ですが、いつもベッドで寝た切りであったため、急に移動した際に痛みを感じ、反動で噛んでしまったのかもしれません。。。(*特に施設からの申し送りもありませんでした)

しかし、ラッキーなことに噛まれたのは服の上からだったので、外への出血はなく内出血のみで済みました。

咬傷は針刺し事故と同じ扱いです


咬傷は針刺し事故と同じ扱いになります。

なぜなら、噛まれた際に患者の唾液(あるいは自分の血液)が体内に入る可能性があるためです。そのため、B型・C型肝炎やHIVなどの感染の可能性がないかを確認する必要があります。

*私の場合は、受診した結果「服の上であり外への出血はない」ことから打撲の扱いだったためその必要はありませんでした。

以下は針刺し事故時の対処の流れです

  1. 他の職員を呼び、安全確保
  2. すぐに流水と石けんで洗う
  3. 事故報告
  4. 患者・当事者のキャリアの有無を特定
  5. 必要時、採血で感染の有無を確認

    *対応は施設の指示に従いましょう。

事故後の対応


事故後は、まず派遣会社へ事故を報告しました。(派遣会社→施設へ報告してくれます)

会社の指示通りに受診し、感染のリスクはなかったため採血は受けず、ヘパリンクリームのみ処方してもらいました。

*感染症確認のための血液検査や受診料は全て『労災』で費用をまかなうことができます。

【労災について】
業務中や通勤中での事故も労災申請ができます。(ただ内容にもよるので確認が必要) そこで、ケガ・病気したら→『労災申請』ができると覚えておきましょう。

*ちなみに4日以上休職する場合は『傷病手当金』がもらえます。

労災申請の流れ


次に、万が一の場合に備えて、その労災申請について簡単に見ていきましょう。
以下は給付までの流れです。

  1. 労働者から会社に労働者災害が起きた旨を報告
  2. 労働基準監督署長宛に必要書類の提出
  3. 労働基準監督署の調査への対応
  4. 保険金の給付

    出典:労務SEARCHより


まず会社に事故の報告をして、指定の書類を記入しその用紙を会社へ提出します。用紙は施設から貰えますが、『対応が遅い』『用紙をもらえない』という場合は、厚生労働省ホームページからも印刷できますよ。

また、受診は『労災指定病院』に診てもらう必要があります。そのため、予約時は労災指定病院かどうか確認してから受診しましょう。

まとめ


今回は、患者に噛まれた体験と対処法について紹介しました。

思いもよらず医療者は事故にあうリスクがあります。そのため、その際の対応や社会保険について知っておくと安心ですね。

参考になれば幸いです♪

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めぐ
ナース×エディター×ライター。『看護師生活をもっとイージーに』をモットーに活動中。看護師の働き方・恋愛・留学情報など色々発信しています。
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